現代の不況や経済格差などの元凶はデフレにある、との位置づけから、デフレ時代に個人が身を守る方法と、デフレ対策として国がすべき対策について解説した一冊。
タイトルから自己啓発本かと思ったのですが、七割くらいはデフレのお話でした。
P39
『デフレだから給料が上がらない。
デフレだからクビを切られる。
デフレだから会社が倒産する。
デフレだから就職できない。
デフレだから結婚できない。
デフレだから子どもが作れない。
デフレだから自殺者が増える。
デフレだから希望が持てない。』
何もかもうまくいかないのはデフレのせい。そしてデフレは国のせい、というのがこの本の一貫した姿勢です。
デフレ時代のサバイバル16ヵ条より
P43
①まずは収入の2割を貯める
P52
⑤教育費は年中の10パーセントまで
○円貯めるではなく、○割を貯めるという考え方は参考になりました。
教育費についても年収の10パーセントを目安と考えると、背伸びし過ぎていないかどうかの確認として有効だと感じました。
P126
『日銀はいくら東大を出ていても畑ちがいで、マクロ経済学の知識に弱い素人集団なのかもしれません』
経済対策を主導すべき日銀の人間が、法学部出身ばかりで経済学に疎いのが良くないとのことですが、これについては?です。
大学で学んだことしか仕事でできないわけではないでしょう。
法学部出身だから経済学がわからん、というのはいささか乱暴な理屈では?
また、経済学ってそんな万能な学問だとも思えません。
学問としての重要性は認めますが、あくまで学問は机上の空論。
経済学が完璧なら、そもそも不況なんて起こらないのでしょう。
勝間氏の主張する具体的なデフレ対策より
P179
『教育バウチャーの配布』
P184
『保育園を2倍にして待機児童解消』
教育への積極的な投資をすべき、との主張です。
これは個人的に大賛成。
ハコモノ作りではなく、人材や社会の仕組みづくりに投資していかねば、結局は何も変わらないと思います。
なんだか批判的な感想になってしまいましたが、文章の読みやすさや、問題提起された内容がすっと頭に入ってくるのはさすが勝間本です。
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