創業者である本田宗一郎氏と共に、二人三脚で「HONDA」を世界的企業へと成長させていった著者の、これまで体験・経験が綴られた一冊。
インタビューに答えているかのように口語体で書かれていて、非常に読みやすい本でした。
恥ずかしながら藤沢武夫氏のことはこの本を通じて初めて知りました。
本田氏が天才的な技術者として力を発揮する一方で、藤沢氏は堅実な組織づくりなどに注力し、HONDAの基盤をつくりました。
どんなに素晴らしいアイディアが生まれたとしても、それを生かす土台となる組織が無かったら何にもなりません。
藤沢氏の存在がなければ、本田氏の天才的なアイディアがこんなに輝くことはなかっただろうと思います。
この本を読み進めていくと、藤沢氏の先を見通す力の素晴らしさを感じます。
本田宗一郎という天才に頼り切るのではなく、後に本田宗一郎や自分自身がいなくなったとしても、組織としてこれまで以上のパフォーマンスを発揮できるような体制を作ることに、組織が成長期に入る前から取り組んでいました。
また、当時の世界経済の圧倒的な存在であったアメリカでの成功が世界的企業になるためには必ず必要だということで、短期的に見たらチャンスの多い他の地域への進出をあえて拒み、アメリカでの成功を収めるために苦心しました。
何事においても派手な方に目が行きがちですが、それもこうして土台をしっかりと固めてくれる存在があればこそなのだと痛感しました。
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