●概要
ドラッカーの「マネジメント」に従って野球部を甲子園に導く、という一風変わった小説風ビジネス理論書。
●詳細
要所要所でドラッカーの文献からの引用があり、それを野球部に当てはめたら?という視点からわかりやすくドラッカーの理論を噛み砕いています。
例えば
・専門家は専門用語を使いがちである。ところが彼らは理解してもらってこそ初めて有効な存在となる
⇒ 専門知識を持っているが口ベタな監督と選手との橋渡し(翻訳者)として、頭脳明晰な女子マネージャーを配置
・市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である
⇒ 多すぎる入部希望者を絞り込む
・成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。まちがいや失敗をしない者を信用してはならない。人は優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる
⇒ さまざまな野球部改革案を立ち上げる仲間を、敢えて制止することなくチャレンジさせる
など。
小説としてのストーリーもありがちな内容ですが、感動を誘うものになっています。
●感想
非常に面白くて夢中になって読んでしまいました。
「ザ・ゴール」や「経営パワーの危機~熱き心を失っていないか」など、小説仕立てのビジネス書にハマる傾向があるのですが、この本も例外なくそのパターンにハマりました。
特に、マネジメントの対象を営利企業ではなく高校野球部にしたことによって、顧客とは何か?という根源的な問いを、より深く考えさせる内容となっていると感じました。
自分も非営利組織である社会人吹奏楽団の代表を務めているので、この野球部ではこうだったけどうちの楽団ではどうだろう?なんてことを考えながら読み進めていました。
ドラッカーの「マネジメント」の実物にも手を出してみようと思います。
余談ながら、この本の表紙は萌え系の女子高生のイラストとなっていて、電車の中で読むにはちょっと気が引けました(笑)
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