2010年10月28日木曜日

一攫千金 なにをやってもサイテーな男の成功術/安田 久


著者の安田さんは、刑務所や病院といった、これまでの常識では考えられなかった題材をエンターテイメント要素として取り上げ、飲食業界で成功を収めた方で、テレビ番組「マネーの虎」で一躍有名になりました。

この本は、安田さんはが今の成功をつかむまでの半生とともに、安田流成功法則がまとめられたものです。

目次
プロローグ

成り上がり篇
アルカトラズへの脱出
生まれ故郷が憎い
儲けるからくりを見た
疾風怒濤の出店
ご存じ「マネーの虎」となる

成功する法則篇
儲かるための12条
さらに儲かり続けるための18条

店を紹介する


本全体を通して安田さんの話し言葉で書かれていて、多少言葉は乱暴なところがありますが、非常にわかりやすくなっています。

また、ページ数も200弱で、手軽に読みきれる分量です。

本の2/3は、自身で成り上がりと言い切ってしまうほど、どん底からのサクセスストーリーとなっています。

言葉遣いが少し乱暴なのも手伝って、不良の「オレってすげーだろ」的な雰囲気もあるのですが、安田さんのアイディアと出会いの妙に感心させられます。

それ以上に参考になったのが後半1/3の成功法則。安田さんのこれまでの経験で得た数字の法則なども惜しげもなく盛り込まれています。

儲かるための12条
9 絶対儲かる数値 より

ケチる限界
人件費20パーセント+原材料費20パーセント=40パーセント
※通常は50〜55パーセント


原価は安ければ安いほど良いですが、その下限値として示されているのが売り上げの40%という数字。

こればかりは安田さんの経験によるものなので明確な根拠があるわけではありませんが、飲食業を志す人にとっては参考になる指標ではないでしょうか。


さらに儲かり続けるための18条
5 マル秘の儲かる計数管理 より
家賃は10パーセント


裏を返せば、家賃の10倍以上の売り上げが見込めない限り、その場所に店を構えるべきではないということ。


7 カンでやっては破産する より
広告の費用対効果は10倍


これも安田さんが経験で得た数値。

それ以前に、何をするにしてもきちんと効果測定をするのが前提。
自分の会社のマーケティング部門は効果測定をすっ飛ばしてるんじゃないかと感じることがままあります…


15 自分が成長することが社員教育になる

最後に、非常に心に残ったのがこの言葉。

背中で語る、じゃないですが、上に立つ人はこの姿勢を忘れてはいけないなと改めて思いました。

思い返せば、窓際族のような何を生きがいにしているのかわからない上司の下で働くのは、こちらも非常にやる気を削がれるものです。

そうなってしまうと、個人のみならず集団のパフォーマンスも落ちてしまうことは明白です。

2010年10月27日水曜日

考具/加藤 昌治

加藤 昌治
阪急コミュニケーションズ
発売日:2003-04-04


主に企画職をターゲットとして、企画を拾って練って形にするための様々なフレームワークが紹介された一冊。

各フレームワークを、考えるための道具-考具と名付けられています。

目次
序章 広告会社でも最初は「ただの人」。今からでも遅くない!

第1章 「アイデア」「企画」を考えるとは、何をすることなんだろうか?

第2章 どうしたら"必要な情報"が入ってくるのか?
孝具その1 カラーバス
孝具その2 聞き耳を立てる
孝具その3 ちょいメモ
孝具その4 「七色いんこ」
孝具その5 フォトリーディング
孝具その6 臨時新聞記者

第3章 展開・展開・展開!
孝具その7 アイディアスケッチ(手書き)
孝具その8 ポストイット
孝具その9 マンダラート
孝具その10 マインドマップ
孝具その11 アイデアスケッチ(PC)
孝具その12 連想ゲーム
孝具その13 オズボーンのチェックリスト
孝具その14 ブレーンストーミング

第4章 企画=アイデアの四則演算!
孝具その15 5W1Hフォーマット
孝具その16 タイトル
孝具その17 ビジュアライズ
孝具その18 マンダラート
孝具その19 企画書

第5章 時にはスパイスを効かす!
孝具その20 アイデアマラソン
孝具その21 問いかけの展開

第6章 あなただけの『孝具』を見つけよう!

終章 頭の動き方がシステム化することこそ、本当の『孝具』かもしれない


一度はどこかで聞いたことのあるフレームワークも多くありますが、それらを
・アイデアを拾うため
・アイデアを広げるため
・アイデアをまとめるため
と用途毎に体系化されているのが非常にわかりやすかったです。

個人的に惹かれたのはマンダラートとアイデアスケッチでした。

オズボーンのチェックリストは初耳だったのでメモ。

P148 オズボーンのチェックリストは全部で9カ条。
◆転用したら? 現在のままで新しい使い道は?
◆応用したら? 似たものはないか?真似はできないか?
◆変更したら? 意味、色、動きや臭い、形を変えたらどうなる?
◆拡大したら? 大きくする、長くする、頻度を増やす、時間を延ばすとどうなる?
◆縮小したら? 小さくする、短くする、軽くする、圧縮する、短時間にするとどうなる?
◆代用したら? 代わりになる人や物は?材料、場所などを代えられないか?
◆置換したら? 入れ替えたら、順番を変えたらどうなる?
◆逆転したら? 逆さまにしたら?上・下左右・役割を反対にしたら?
◆結合したら? 合体・混ぜる、合わせたらどうなる?

2010年10月22日金曜日

一週間は金曜日から始めなさい/臼井 由妃


著者の臼井さんは、28歳年上の夫との結婚を機に会社経営に携わるようになり、その後独自のビジネス手法で成功を収めた方で、マネーの虎にも出演されていたそうです。

そんな臼井さんのタイムマネジメント術をまとめたのがこの本。

目次
Part1 タイムマネジメントの基本は時間密度
できる人は、時間をケチるのではなく濃くする

Part2 考えるのは15分でやめなさい
仕事が速い人の考え方&発想法

Part3 1週間は金曜日から始めなさい
目標を達成し続ける人の予定&計画の立て方

Part4 時間は支配した方のものになる
人付き合い&コミュニケーション一つでこれだけ時間の差が出る

Part5 頭がフル回転なら、時間効率はグンと良くなる!
密度の高い時間を過ごすための自分プロデュース術

Part6 時間を上手に使う人のちょっとした工夫
仕事の速い人が実践する大きなお世話時間を生む小さな習慣


最も印象的だったのが以下の箇所。

P25
時間を節約する方法より、時間をより活かす「一粒で何度でもおいしい」方法を考えるのです。


その他のタイムマネジメントを説いた本にありがちな、掃除しながら勉強するといったマルチタスクでは、時間の節約にはなるが時間を有効に使っているとは言えない。

やることはシングルタスクでも、その結果として二つ以上のものを得られるようにすれば、時間密度が高く時間を有効に使っていると言える、というのが臼井さんの主張です。

例として挙げられているのが、①地方公演に行く②将来のコンサルティングに役立つよう地元の情報を収集する③メルマガやブログのネタをあつめてくる、といったもの。

妻がこれと似たような考え方で、一粒で二度おいしいセミナー参加方法を実践していました。
①セミナーに参加して話を聞く②同年代の女性の近くに座ってグループワーク中に相手を観察する、といった方法です。

その他にもさまざまなタイムマネジメントの方法が紹介されていますが、それらを総括してあとがきで以下のような言葉が書いてありました。

魔法の呪文「かきくけこ」
か 簡単 … 簡単な方法を選択する
き 興味 … 興味のある方法を選択する
く グレー時間 … 無目的な時間(グレー時間)を減らす
け 決断 … すばやく決断
こ 行動 … とにかく行動に移す


確かにこの「かきくけこ」を実践するだけで、かなり時間の使い方がうまくなりそうです。

2010年10月20日水曜日

「伝説の社員」になれ!/土井 英司


自分も届くのを楽しみにしている、毎日配信のビジネス書情報メルマガ「ビジネスブックマラソン」でお馴染み、土井英司さんの二冊目の著書。

土井さんの経歴を実はあまり知らなかったのですが、大学卒業後にセガに入社してから、かれこれ5回以上の転職を繰り返し、その後独立して成功を手にしたんだそうです。

この本では、そんなキャリアの中で得た以下の教訓をテーマとして取り上げています。

大きな成功を手にしたいなら、まずは今いる環境で自分の価値を最大化する事が大切。自分の価値の最大化のモデルケースとなるのが「伝説の社員」。

目次
プロローグ
第1章 自分の値段は自分でつける!
第2章 付加価値をつければ人生が変わる!
第3章 最強の自分マーケティング
第4章 「伝説の社員」になれ!
エピローグ


「伝説の社員」とは、社員という立場をフル活用して、その会社で伝説と謳われるような実績を残す人を指します。

そこまで讃えられるほどの実績を手にすれば、社内外問わず引く手数多の状態となり、自分で自分のやりたい仕事を選べるようになる、というのが土井さんの主張です。

さらに、伝説の社員になるためには、以下の事を心がけて自分のブランドを高めることが重要だと説かれています。

・自己投資をケチらないこと
・自分を適切な方法でマーケティングすること

最後に、自分の効果的なマーケティング方法として具体的に紹介されていた中から、印象に残ったものを一つ。

P133
「名前+長所」のセットで人を紹介する

誰かを紹介するときに心がけようと思ったことです。

「こちらは、パソコンのセットアップが得意な○○です」など、ちょっと褒めつつ紹介をする。
すると、紹介された相手の印象にも残りますし、褒められた側も自分に良い印象を持ってくれます。

2010年10月17日日曜日

応用情報技術者試験

今日は応用情報技術者試験を受けてきました。

前々から受験しようと思っていたのですが、吹奏楽団のイベントと日程が毎年重なるので、今回が初の情報処理技術者試験の受験となりました。

午前問題については当日夜には公式回答が出ます。
それによると午前は8割越えなので確実に合格してそう。

午後は記述問題なのでどんな結果になるか。
結構手ごたえあったつもりだったんですが、よくよく見直すと2~3問は凡ミスしてるっぽいです…

合格発表は12月とのこと。次は何を勉強しようかなー。

2010年10月5日火曜日

社員心得帖/松下 幸之助

松下 幸之助
PHP研究所
発売日:2001-05-01


松下電器を一代で興し、経営の神様と言われている松下幸之助氏が、企業組織で働く社員にとって大切だと考える心得をまとめた一冊。

以下の目次のように、三つの立場の社員へのメッセージがまとめられています。

・目次
第一章 新入社員の心得
第二章 中堅社員の心得
第三章 幹部社員の心得

自分が生まれるよりも前にまとめられた本であり、終身雇用を前提としているところも見受けられるので、そういった箇所はちょっと感覚が違う部分もありますが、数多くの金言が込められている一冊です。

優しい語り口調で書かれていることもあって、一度読むだけですっと心に入ってきます。


P20 「新入社員の心得」より
『礼義作法は潤滑油』

礼儀作法と聞くと堅苦しいもののように感じられますが、やはり傍若無人な態度の人を見ると気分が悪くなるわけで、それを思い返すだけでも礼儀作法の必要性は明白です。

その礼儀作法を、人付き合いの潤滑油と例えるところが、妙にわかりやすく納得しました。


P34 「中堅社員の心得」より
『社長、部長はお得意先』

中堅社員は自分の担当している仕事を、独立した事業主・経営者になったつもりで取り組む。

すると、社内の同僚が客となり、他部署の長が取引先になる、という考え方。


P106 すべてに共通する最後の心得
『好きになる』

一番最後の心得として、結局は仕事を好きになることが仕事の上達や充実した人生にとって必要、と説かれていました。

「仕事が好き」なんて言うと社畜なんて言われてバカにされることもありますが、1日の1/3以上の時間をかけているものなんだから、やっぱり仕事がつまらないっていうのは人生損するな、と思います。