2010年7月26日月曜日

なぜ若者はトイレで「ひとりランチ」するのか/和田 秀樹


少し前に話題になった大学生の「便所飯」。

昼休みに一緒にご飯を食べる相手がいないことを見られたくないからと、大学構内のトイレで昼食を済ませる人が、数は多くないものの存在するとのこと。

本書ではなぜそのような行為に及ぶのかについて、今の若者が育ってきた環境や学校教育に問題がある事を指摘し、更にはこのままだと未来に希望も持つことが出来ないと警鐘を鳴らします。

仕事で内定者研修を担当する事になったので、現代の若者の思考を少しでも知っておきたいと思い、この本を手に取りました。

P55
スクールカースト

今の教育と我々が受けた教育との最大の違いが、通知表が絶対評価でつけられること。

成績における競争がなくなると、序列の基となるものが「人気」になり、それは自分の努力だけではひっくり返すことが難しい階級制度を生み出す、と本書では説かれます。

そのような階級制度にどっぷり浸かって育つと、友達がいない=いじめられっ子という認識が生まれ、他人の目を異常なほどに気にするようになってしまう。それが便所飯という行為に自分を走らせる大きな理由の一つのようです。

P138
IQよりEQが大事

ゆとり教育の根幹にある、詰め込み教育ではなく人間性を育てましょう、の代表格のキャッチフレーズの一つ。

しかしながら人間性は客観的な指標で測ることが難しいもの。
更にこれまでの詰め込み教育が人間性を育てることと逆行するという誤った認識から、日本の教育内容は骨抜きになってしまった。

それにより、根本的に人材レベルが下がってしまったと指摘されています。

個人的には詰め込み教育であろうと一生懸命勉強する(IQを高める)のは良いことだと思っているので、この意見には大いに参道です。
世に言われる「人間性の高い人」の中で、頭の回転が悪い人っていないんじゃないですかね?

また「IQ よりEQ が大事」として、IQ 型教育がEQ にマイナスだという二極論は、いかにも日本人らしい発想だと思います。

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