2010年12月27日月曜日

想いー三茶の焼肉、世界をめざす/西山 知義

西山 知義
アメーバブックス
発売日:2006-02-25

牛角の創業者である西山さんの、自伝+経営論が綴られた一冊。

タイトルの通り、起業やビジネスの成功には熱い"想い"を持っていることが大切だというのが、本書のテーマになっています。

目次
はじめに
1章 必ず生きて帰ってきてくれ
2章 父の背中、少年の眼
3章 念願の独立と裏切り
4章 企業「マクドナルド」との出会い
5章 三軒茶屋に「焼肉市場 七輪」を出店
6章 「感動創造」という理念
7章 終わりのないマラソン
8章 人を動かすのは"情熱と科学"である
おわりに

何かものすごく強い使命感を持ってしっかりと勉強や下準備をして起業したわけでなく、とりあえず走ってみてから置かれた状況で全力でもがくことによって成功を手に入れたような印象を受けました。

途中、企業診断で典型的なワンマン社長型という結果が出た、というくだりがありますが、この本を読む限りでは自らがガンガン動くタイプのモーレツ社長なんだろうなぁとも思います。

社長業の傍ら、勉強のためにマクドナルドのバイトとして数ヶ月働くなど、型破りなことも多くやってこられたようです。

そんなわけで具体的にこれが参考になる、というものはあまりなかったのですが、1章で記されている奥さんの闘病生活の部分は、心を打たれると共に家族や自分の健康を本当に大切にしなければならないと思わされるものでした。

2010年12月22日水曜日

「愚直」論 私はこうして社長になった/樋口 泰行

この本が書かれた当時は日本HP社長を務め、現在は日本マイクロソフトの社長を務めている樋口氏が、ビジネスパーソンとしてどのようなキャリアを積み社長になったのかを綴った一冊。

目次
序章 試練を糧にせよ 目の前の仕事に打ち込めば、成果は後からついてくる
第1章 仕事の閉塞感 日本企業の技術者だった私がMBAに挑戦した理由
第2章 人格改造講座 ハーバード・ビジネススクールへの留学で手に入れたもの
第3章 実力主義の世界 戦略系コンサルティング会社の徹底した「アウトプット主義」
第4章 外資系の文化 外資系コンピュータ会社で体験した異質の企業風土
第5章 社長という職業 巨大合併の混乱の中で日本HPの社長となって
第6章 激動時代の働き方 経営者としての立場から語る、これからの人材像

仕事柄マイクロソフトとの絡みが多いので、樋口氏の名前だけは以前から知っていました。

しかしながらこれまでのキャリア等は全然知らなかったので、この本を手に取って「この人って前はHPの社長だったの!?」という驚きが第一でした。

そして読み進めていくと、こんなに刺激を受ける本は久しぶりだ!という高揚感に包まれました。

ビジネスパーソンとして、自分が歩んでいきたいと思っている姿と重なる所が多いんです。

松下電器の技術者という立場からキャリアをスタートさせて、経営を学んでコンサルタントに転身。その後、幾つかの企業での要職を経て、現在はトップとして活躍。

自分もSE/プログラマーという技術職からスタートしましたが、もっと広い視点でビジネスを見たいという想いから社内の情報システム担当に異動して自社の経営効率化などにITの分野から携わっています。そして次は外部の企業にも目を向けたくなり、ビジネススクールで勉強する道を選び進み始めたところです。

この本で特に印象的だったのは以下の二点。
P17
たとえ苦しくとも、目の前の仕事に打ち込めば、成果は後からついてくるものだ。

P213
良い転職と悪い転職
その転職が現実逃避なのか、新しい挑戦なのか

つまりは「目の前の仕事や試練に一生懸命になれないやつは何をやっても成功しない」ということです。

この本を読む限りでの話にはなりますが、樋口さんは社長になりたいという野心をギラギラさせていたわけでもなく、誰かに媚びへつらったりして今の地位を手に入れたわけでもありません。

常に目の前のことに全力であたって成果を残してきたことによって、自身が成長していき、現在のポジションはそのオマケとして付いてきたような印象を受けます。

目の前の仕事に一生懸命に打ち込むことがビジネスパーソンの基本スタンスであることを改めて再確認することになりました。

そう考えると自分の周りは一生懸命さに欠ける人が少なからずいるのかも…

2010年12月13日月曜日

究極の文房具ハック---身近な道具とデジタルツールで仕事力を上げる/高畑 正幸

著者の高畑さんは、TVチャンピオンの文具通選手権で三連覇し、文具王の肩書きで様々な活動をしている人物。

この本はそんな高畑さんが、自分の仕事を効率的に行うために編み出した様々なハックを集めた一冊です。

目次
統の章 できる限り規格を統一する
省の章 仕事を自動化していちいち考えることを省く
即の章 「いつか」ではなく「今すぐ」できるように環境を整える
仮の章 「とりあえず」を肯定する
整の章 身のまわりはちょっと大胆な方法で一気に整える
Dの章 デジタルツールをアナログ視点で使いこなす

正直なところ、自分にとってはあまり参考になるハックはありませんでした。

いま流行りの断捨離じゃないですが、物が捨てられなくて片付かない人間なので、何とか身の回りの物を減らしたいと思っています。

文具王のハックは、どうしても追加の文房具が必要になる物が多いので、物を減らしたい人にはあまり向かないのかも知れません。

とは言え、幾つか参考になるものもあったのでメモ。

P35
省2 校正はグリーンの蛍光ペン

書類の校正はの際に、チェックして問題なかったところをグリーンの蛍光ペンで塗っていくというハック。

つまり、書類全部がグリーンになったら終了という方法です。

校正というと間違ってるところに赤ペン入れてくようなイメージがありますが、それだと読み飛ばしてしまったところを見落としがちなんですよね。

このやり方は見落としを防止できるのと、どこまで読んだっけ?を防止するための逆転の発想でした。

2010年12月8日水曜日

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー/岡島悦子

著者の岡崎さんは、これまでの仕事やMBA取得の過程で様々な人脈を築き上げ、そしていまヘッドハンターとして仕事をしています。

その中で構築した、抜擢される=若くしてチャンスをつかむ人たちに共通している人脈構築のフレームワークについて解説した一冊です。

目次
第1部 なぜ今、「人脈」なのか。- 人脈の重要性再考と将来仮説
第1章 ハーバードで学んだ人脈の哲学と人脈スパイラル・モデル
第2章 人脈のパラダイム・シフトに伴う戦略的人脈構築の必要性

第2部 人脈スパイラルと人脈レイヤー - 抜擢される人の戦略的人脈構築モデル
STEP1 自分にタグをつける
STEP2 コンテンツを作る
STEP3 仲間を広げる
STEP4 自分情報を流通させる
STEP5 チャンスを積極的に取りに行く

第3部 人脈スパイラルの先には何があるのか? - 戦略的人脈構築の本当の目的

将来、経営者になりたいと考えている自分にとって、人脈を広げることは必ず考えねばならないことです。

しかし人脈をつくる方法もよくわからず、見ず知らずの人が集まる交流会やパーティーなどで挨拶をして回ったり、友人の知り合いの経営者を紹介してもらうなども考えましたが、どうも違和感がありました。

この本を読んで、その違和感が何だかはっきりしました。

「こいつと付き合うと良いことがある」

と思わせるための価値をちゃんと作り出せていなかったのです。

それはまさに、この本の核となる第2部の人脈を構築するフレームワークのSTEP1とされている「自分にタグをつける」が欠けていることです。

自分にタグをつける、つまり自分自身を定義づける方法として、以下の三つの要素に分けて考えることが提言されていました。

P102
タグ①将来、どんな仕事をしたいか(will)
タグ②自分にできることは、何か(skill)
タグ③相手にどんなメリットをもたらすか(value)

それぞれのタグははじめから完璧なものである必要はありません。

大切なのは、自分で自分の価値をわかっているか?わかろうときいるか?ということだと思います。

久しく自己分析をきちんとできていなかったので、せっかく年末年始でまとまった時間が取れそうなので、①〜③の視点での分析をやってみます。

それぞれ単発の項目は思いつくので、それらを一つのストーリーとしてまとめられるといいなと思います。

2010年12月6日月曜日

小宮一慶の実践! ビジネス思考力/小宮 一慶

小宮 一慶
インデックス・コミュニケーションズ
発売日:2008-12-06

物事の深い部分までを理解していて、なおかつ他の人には無いひらめき力を持っている人。
この本のタイトルにもなっているビジネス思考力を高めると、上記のような人になることができます。

目次
STEP0 「ビジネス思考力」を実践する! - 頭の中の「引き出し」を意識する
STEP1 「現象」を正確に捉える! - 頭の中の「引き出し」の量・質を高める
STEP2 「仮説検証」する! - 頭の中の「引き出し」を整理・整頓する
STEP3 「本質」をつかむ! - 頭の中の「引き出し」を使って分析する
STEP4 「ひらめき」を生み出す! - 頭の中の「引き出し」を関連付ける
エピローグ ビジネスで成功するための「良い思考力」

ビジネス思考力を高めるためには何をれば良いのか?
キーワードは「引き出し」。

論理的思考力を高めることによって頭の中の引き出しを増やして中身を充実させる。
その状態で、ある引き出しを開けたら別の引き出しも一緒に開いた、というのがひらめきの状態です。

2010年12月2日木曜日

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践/勝間 和代

これまでで一番勉強になった勝間本。

もはや説明不要の勝間さんが、コンサルティング会社での経験などを活かしながら、ビジネス思考力をの素となる力を、7つのフレームワーク力として解説した一冊。

3C やSWOT といったビジネスフレームワークに興味のある人(まさに自分w)にはぴったりの本です。

フレームワークなどの知識は知ってるだけじゃ何の役にも立たない、というのはよく聞く話ですが、

P40
ブルーム博士の思考の六段階モデル
知識-理解-応用-分析-統合-評価

にもあったように、やっぱり最低限の知識を持っておかないと、その先の応用や分析・統合・評価は絶対にできないと思います。

「知識をだけあっても仕方ない」と言って知識を得る学習を放棄するのは、この本の中で勝間さんが述べている"ゆとり教育の失敗"と同じ話でしょう。

さて話しが逸れましたが、この本では上記思考の六段階モデルに基づき、最初の知識〜応用は学校教育等で身につけているという前提で、分析〜評価に必要な思考方法を解説しています。

目次
第1章 「ビジネス思考力」を定義する!
第2章 ビジネス思考力の基礎となる7+1の力
第3章 一つめの力 論理思考力
第4章 二つめの力 水平思考力
第5章 三つめの力 視覚化力
第6章 四つめの力 数字力
第7章 五つめの力 言語力
第8章 六つめの力 知的体力
第9章 七つめの力 偶然力

知識や考えを、論理思考力を用いてを深めると同時に、水平思考力で広げることによって分析し、自分の中に落とし込む。

その考えを視覚化力や数字力や言語力を用いて統合してアウトプットとして外部に発信する。

それらを評価として実行に移すために知的体力と偶然力を使う。

といった流れになります。


自分への落とし込んで考えると、7つの力の中で弱いのは水平思考力かも知れません。

つい自分の考えにのめりこんでしまう傾向があり、いざアウトプットしてレスポンスをもらうと「あ、こんな視点もあるか」という思いをすることが多々あります。

水平思考力を鍛える方法として
P138
1.種になりそうなアイデアの量をとにかく増やしてみる
2.出てきたアイデアは、なるべく早く市場で試してみる
3.アイデアがうまくいかないときにこそ、失敗から早く学んで早く修正する
4.他の人とのかかわりの中でアイデアを醸成すら

が紹介されていますが、自分に足りないのは3.4.です。

失敗や他の人に否定されるのを極端に嫌う性格が災いしているのでしょう。