樋口 泰行
ダイヤモンド社
発売日:2005-03-04
この本が書かれた当時は日本HP社長を務め、現在は日本マイクロソフトの社長を務めている樋口氏が、ビジネスパーソンとしてどのようなキャリアを積み社長になったのかを綴った一冊。
目次
序章 試練を糧にせよ 目の前の仕事に打ち込めば、成果は後からついてくる
第1章 仕事の閉塞感 日本企業の技術者だった私がMBAに挑戦した理由
第2章 人格改造講座 ハーバード・ビジネススクールへの留学で手に入れたもの
第3章 実力主義の世界 戦略系コンサルティング会社の徹底した「アウトプット主義」
第4章 外資系の文化 外資系コンピュータ会社で体験した異質の企業風土
第5章 社長という職業 巨大合併の混乱の中で日本HPの社長となって
第6章 激動時代の働き方 経営者としての立場から語る、これからの人材像
仕事柄マイクロソフトとの絡みが多いので、樋口氏の名前だけは以前から知っていました。
しかしながらこれまでのキャリア等は全然知らなかったので、この本を手に取って「この人って前はHPの社長だったの!?」という驚きが第一でした。
そして読み進めていくと、こんなに刺激を受ける本は久しぶりだ!という高揚感に包まれました。
ビジネスパーソンとして、自分が歩んでいきたいと思っている姿と重なる所が多いんです。
松下電器の技術者という立場からキャリアをスタートさせて、経営を学んでコンサルタントに転身。その後、幾つかの企業での要職を経て、現在はトップとして活躍。
自分もSE/プログラマーという技術職からスタートしましたが、もっと広い視点でビジネスを見たいという想いから社内の情報システム担当に異動して自社の経営効率化などにITの分野から携わっています。そして次は外部の企業にも目を向けたくなり、ビジネススクールで勉強する道を選び進み始めたところです。
この本で特に印象的だったのは以下の二点。
P17
たとえ苦しくとも、目の前の仕事に打ち込めば、成果は後からついてくるものだ。
P213
良い転職と悪い転職
その転職が現実逃避なのか、新しい挑戦なのか
つまりは「目の前の仕事や試練に一生懸命になれないやつは何をやっても成功しない」ということです。
この本を読む限りでの話にはなりますが、樋口さんは社長になりたいという野心をギラギラさせていたわけでもなく、誰かに媚びへつらったりして今の地位を手に入れたわけでもありません。
常に目の前のことに全力であたって成果を残してきたことによって、自身が成長していき、現在のポジションはそのオマケとして付いてきたような印象を受けます。
目の前の仕事に一生懸命に打ち込むことがビジネスパーソンの基本スタンスであることを改めて再確認することになりました。
そう考えると自分の周りは一生懸命さに欠ける人が少なからずいるのかも…