2011年9月14日水曜日

社長になる人のための経理の本/岩田 康成




企業経営に必要な会計の知識を、一泊二日のセミナー形式で説明されています。
実際にセミナーに参加しているかのような気持ちで読めるので、すいすい頭に入っていきます。

主に財務会計に関する話題が中心ですが、税法や管理会計に関する話題にも触れられています。

以下、読書メモ。

P69
運転資金


ワーキングキャピタル(WC)のこと。
これがわかってないと黒字倒産する可能性が高い。

P75
保守主義 予想の利益は計上すべからず、予想の費用は早目に取り入れるべし


保守主義を簡潔に言い表した一文。

P83
利益という看板をいくつかの小さな看板に書き換える


利益処分案の本質はこれ。

"利益処分"と聞くと儲けたお金を山分けするようなイメージを持つが、
実質的には利益の行先を決めて看板を付け替えるだけ。

配当すると決めた場合には、その瞬間に未払配当金が誕生するだけで、
実際の支払いはまた別の話。


P105
資金のタイミングに関しては一日たりとも失敗は許されない


赤字を出しても会社は潰れないが、不渡りを出せば会社が潰れます。


P110
貸借対照表が将来の費用の固まりを一時的に保留するところでもある


前払いや未払いの項目が載るのもこれで納得。


P129
当期の損失は五年以内に利益が出て相殺できれば、欠損金×実効税率だけ税金支出を圧縮できる


繰越欠損金の話。
繰越が認められる期間が、現在は七年に延長されているようです。


P195
差異分析は、現状がどういう位置にあって、現状をよくするためにどうすべきか、
という行動を促すためにやっているんであって、ただ数字をひねくりまわして差異を解明するだけでは、
経営に役立つ分析や仕事ではありません


会計に限らず、俗に言われるフレームワークというものを覚えた人は、
往々にして情報をひねくり回して煙に巻く傾向が強いように思います。

So What?を導かなければ意味が無いことを肝に銘じておかなければなりません。

P197
計数管理のねらい
 共通の認識、同じ土俵で行動
 PDSのマネジメントサイクル
 人々の意欲と行動の集中化


予算管理の目的は、共通の目標を作って、それをPDS していくこととで、改善と組織のモチベーション向上を促すこと。

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