会計がわかるためには財務3表の"つながり"を理解すること。
そんな観点から、様々な取引を財務3表のつながりで表現するとどうなるかを徹底的に説明した一冊です。
この本で扱われる財務3表(BS 貸借対照表、PL 損益計算書、CS キャッシュフロー計算書)の"つながり"は以下の5つ。
A.PL の"当期純利益"とBS の"利益剰余金"はつながっている
B.BS の右と左は一致する
C.BS の"現金及び預金"とCS の"現金の残高"は一致する
D.間接法のCS の一番上にはPL の"税引前当期純利益"を持ってくる
E.直説法のCS と間接法のCS の金額は一致する
この"つながり"を意識すると、会計の全体像が非常によくわかります。
簿記の勉強が1本1本の木を見るものだとすれば、財務3表は森を見るようなイメージです。
簿記の勉強はしたことがあるけど、会計ってイマイチよくわからない、という人にはおススメの一冊です。
大学で会計を勉強していた当時にこれを知っていれば…と痛切に感じました。
以下、読書メモ。
P137
「借入金を返す」より
間接法CS で支払利息が二重計上される。足し戻しを忘れないこと。
営業CF の小計は純粋な営業CF の額を表すため。利息は本業とは関係ないので小計の下に記載する。
P174
PLとBSは操作されている
PL・BSは経営者や株主の意向によって操作をする余地が色々とあるよう。
例)
社長の報酬を短期貸付金として計上する
キャンセルを前提とした売上を立てる など
だからこそ、ごまかしの効きにくいキャッシュフロー計算書にも注目する必要があるのでしょう。
P183
CS のパターンで会社の情報が推測できる
営業CF/投資CF/財務CF
/+/+ → 将来の投資のためにお金を集めているのだろうか
/+/- → 財務体質強化の段階にある会社だろう
/-/+ → 将来の戦略も明確な優良企業のパターン
/-/- → 潤沢な営業CFがある会社であろう
/+/+ → 問題会社の一般的なパターン
/+/- → 過去の蓄積を切り売りして事業を継続している
/-/+ → よほど自信がある将来計画があるのだろうか
/-/- → 過去に多くの現金の蓄積があった会社なのだろう
CS のポイントは3つのCF。
ある程度のセオリーを知っているのは大事ですね。
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