2011年7月26日火曜日

数字は見るな! 簿記があなたの会計力をダメにする/田中 靖浩



数字が出てこない斬新なスタイルの会計入門書。

副タイトルでも痛烈に批判しているように、簿記だとかで細かい数字を追うんじゃなくて、右脳的感覚で数字の大きさとか流れを掴むのが、ビジネスマンに必要な会計を読むってことなんだよ!ということを教えてくれる一冊です。

以下、読書メモ。

P59
数字を「作る・読む・活かす」
P66
作れなくてもいいから「読める」ようになる。これがすべてのビジネスマンに必要なのです。


ここを読んで「会計=簿記」という固定概念がひっくり返りました。

簿記は数字を"作る"方法で、経理マンや会計ソフトを作るSEには必要な知識。

ただし、その他大勢の一般ビジネスマンに必要なのは数字を"読む"力と、必要に応じてそれを"活かす"こと。

なので簿記に詳しいのと、数字を読んで活かすという力は全く別です。

自分が簿記はそこそこ詳しいのに、財務諸表を見ても何も感じ取れないのはまさにこれだ(-。-;


P92
数字の基本は「点と線」


点=B/S
線=P/L


P128
おカネが右から入ってきて、左でグルグル


B/Sのイメージ。
まさに"資本の回転増殖運動"を示していますね。


P167
管理会計では、会社の数字をy=ax+bで考える


管理会計の基本は損益分岐点を知ること。そして損益分岐点を"予測"すること。


P176
会計はこうした、将来失われてしまった可能性や儲けを計算するのことが不得意。


だから個人も会社もそして国家も、おカネにとらわれすぎるとどうしても「縮んで」しまうんですね。

会計の限界もきちんと認識しておかなければなりませんね。

2011年7月22日金曜日

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ/山根 節



ビジネスのリーダーに必要なのは大局観であり、そしてそれを支えてくれるツールが会計である。

会計と言うと細かい数字が羅列されている財務諸表を思い浮かべてしまい、あんなものは一部の専門家だけが読める特別な表であるという苦手意識を持ってしまいますが、この本を読むとそれがいかに間違ったイメージであるかがわかります。

会計はビジネスパーソン、特に広く世の中にアンテナを張るビジネスリーダーにとって、世の中の流れを知るための重要なツールであることがわかります。

一応これまで簿記の勉強などをしてきたので会計はそこそこ知っているつもりでしたが、それは木を見て森を見ずの状態であったことを反省。

まずは自分の勤め先の財務諸表を読むところから、自分の会計リテラシーを磨いていきます。

以下、読書メモ。

P34
『会計はまず経営活動に光をあてます。この光は貨幣価値という光です』


⇒ 会計は経営全体を照らし出してくれる唯一のツールであると同時に、
  逆にそれが会計の限界。貨幣価値に引っかからないものは見えない。
  しかし、会計から経営をイメージすることはできるので、そのセンスを
  磨くことは絶対に必要。


P38
『仕事で会計の使える経営管理者になりたいのでしたら、いきなりリアルな財務諸表と格闘することをお勧めします』


⇒ 会計はビジネスパーソンの言語。言語はとにかく使って覚える。納得です。


P81
『経営はストックの拡大再生産プロセス』
P84
『ストック資源を成長させるために儲けるという拡大再生産活動こそが、経営そのものである』


⇒ 経営は"資本の回転増殖運動"である、というのを言い換えたのがこれ。
  B/S に表現されストックを使ってP/L に表現されるフローを回していき、
  結果的にはストックを増やすことが経営です。


P142
「会計で会社を立て直す」より
『財務リストラクチャリング - 資金ポジションの改善策』
  ↓
『営業・生産リストラクチャリング - 売れる仕組みの改革、生産改革』
  ↓
『研究開発リストラクチャリング - 売れる製品の開発、技術基盤作りへの改革』


⇒ 会計情報を使って、どのように会社の経営を立て直せ良いかというセオリー。
  業績回復のケースを振り返ってみると、このパターンに則ったものが多いですね。