2011年10月24日月曜日

神様のサービス 感動を生み出すプラス・アルファの作り方/小宮 一慶





『満足という土台があってこそ感動を与えることができる』

様々なサービスの事例を紹介しながら、感動を与えるサービスとはどういったものかを紐解く一冊。

著者の小宮一慶氏は経営コンサルタントとして名高い人物ではありますが、
この本で紹介されるサービスの事例については自身が客の立場で接したものも多く紹介されており、
思わず共感できるものも少なくありません。

一部のサービスの批判については、やや主観的すぎるのでは?と思うものもありましたが、
各サービスに対する分析の鋭さは目を見張るものがあります。

自分が同じサービスを受ける立場だったとして、同じように様々な気付きを得ることができないかも知れません。

知識や経験はもちろんのこと、日常生活におけるアンテナの張り方についても勉強になる一冊でした。

 以下、読書メモ。

> P16
> 最適な「QPS」の組み合わせを考えているか?

Quality … 品質
Price … 価格
Service … サービス

サービスこそが差別化のカギとなる。


> P51
> たいていのお客さまの基準は相対的

よって時代によって求められるサービスの質は変わってくる。

過去の成功経験に囚われて自分を変化させない企業は淘汰されていく。
環境の変化に合わせて自分も変化していかなければならない。


> P61
> 「満足」という土台もなしに「感動」させることばかり考えても、うまくいきません。

> P87
> 「満足」をとことん追求すれば、お客さまは「誰かに話して伝えたい!」と感動して(中略)「代弁者」になることがあり得るのです。

どうしても感動ばかりを考えると一発限りの派手な演出などに目が行きがちですが、
当たり前のことを当たり前に徹底して満足を追求し続けることによって感動が生まれる。

事例としても紹介されているディズニーランドでの「感動」は、
まさに「満足」という土台の上に成り立っていると感じました。

> P72
> サイレント・マジョリティ
> ノイジー・マイノリティ

声の大きい少数派にばかり目を向けて、物言わぬ多数派をないがしろにすることの無いように。
自戒も込めて。


> P117
> まずCSを高め、それによりESを高める

従業員満足を追求する、なんていうのは勘違いも甚だしい。
顧客満足を高めることに喜びを感じて従業員満足が上がっていくのが理想のサイクル。


> P153
> お客さま第一主義実践計画表

神奈川ナブコという会社での取り組みの紹介。

> お客さまのところには5分前に到着する
> 現場の施工後は5分間掃除をする
> 見積書を前日までにお客さまにお届けする

といった、顧客目線でのKPI は目から鱗でした。